Think rich, looks poor...

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途上国の貧困問題について考える。 ~その1~「時代遅れのツールとなりつつある"GDP"」


Michael Green: What the Social Progress Index can reveal about your country

 

GDP(Gross Domestic Product)...GDPという言葉を聞いたことのない人はいない程世の中に浸透している言葉である。今回はこれまで豊かさを測るツールであったこのGDPの有用性を熟考していく。

 

私は、途上国に訪れた際に見た貧富の差の現状から貧困問題について関心を持ち、現在このトピックに主に大学で学んでいる。最初はこんなに時間のかかる勉強だと思わなかったが、様々なファクターを考慮しなければいけない問題であり、いまだ納得した正解にたどり着いていない。その原因の一つに経済成長(豊かな国)とは何かという問いである。

 

経済成長を測るツールとしてGDPが用いられる。日本の一人当たり名目GDPは世界26位。よくテレビで流れる日本は経済大国、GDP世界2位だった…何てことよく聞きますよね。日本の名目GDPはとっくに中国に抜かされ、かろうじて3位につけていますが、名目GDPの値は中国の半分以下もありません。また、近年、富が一部の階級に集中することにより、経済大国アメリカ、日本でさえ格差問題は無視できない程本題となってきています。まあ、この話は置いといて本題に戻りましょう。

 

私は国にとって大切なことって何だろう。経済開発ってどうなれば正解なの?という疑問が頭から離れません。私はしばしば海外の友人から日本は豊かでいいね、仕事の機会も給料も高くてうらやましいといわれることがあります。私はそういった場面で何か言いたいけどもどかしい気持ちになります。何故なら、GDPには弱点がありからです。GDPすなわち国全体の生産量でそれにしか注目していないため、環境、公平さ、正義、幸福度については関連性がないのです。

 

そこで、皆さんに見てほしい動画が上にあげている動画です。彼は20世紀はGDPで国の豊かさを測ることができたが、21世紀はGDPにかわり社会進歩指数(Social Progress Index)で国の包括的な豊かさを測ることができると述べている。この動画には日本語の字幕が含まれているためみなさんもぜひ見てもらいたい。

ではざっくりと説明します。大きく3つの判断材料があり、

1、基本的な人間のニーズ

栄養・基本的な医療サービス、水と衛生環境、住居、個人の安全

2、人間が人らしく生きるための基本的構成要素

基礎的な教育、情報へのアクセス、健康、持続可能な環境

3、すべての人が得ることのできる権利

個人の権利、個人の自由・選択、寛容とインクルージョン(和訳できない...)、最先端の知識

 

これらが社会的進歩指数を測る要素になり、今後必要とされる時代が来るとささやかれています。ちなみにG7の中でトップはカナダで世界2位、気になる日本は14位です。今後この順位をどこまで維持もしくは向上させられるかが注目されますね。

 

私の考えている何が幸せ、どこの国が発展してるの?という一言ではアンサーの出ない疑問をこの社会的進歩指数が解決に導いてくれる一つのものさしになってくれるかもしれません。今日のところはこれぐらいにしておいて、今後はもう少し、深く掘り下げて貧困問題について話していきたいと思います。