離職率を下げるためには?
会社として離職率を下げることはとても大切である。
新しく良い人材を採用することも同じく大切だが、苦労して教育した社員を失うことの方が会社にとって痛手であると私は思う。
近年注目されるワードでES(Employee Stisfiaction:従業員満足度)というものがある。これはこれまで重要とされてきたCS(Customer Satisfaction:顧客満足度)と2律背反の関係になってしまうと一般的には考えられています。
しかし、このままではよろしくない。
このESの定義を変革することが最高の会社になるために必要なのである。
従来、ESとは会社の福利厚生や給料などによって維持するものであると考えている方は多かったのではないだろうか。
しかし、私の考えは異なる。
福利厚生などを整え、社員の満足を簡単に上げることは一見簡単そうに見えるが、これには問題がある。
福利厚生などによって社員の得られる幸福とは短期的なものであるという欠点だ。
人の良い人生には3つの種類があると言われている。
1つ目が楽しい人生。
2つ目が没頭する人生。
3つ目が意味のある人生である。
楽しい人生とは快楽を追求するもので短絡的には良い人生であるといえるが、すべての人間がある物事を楽しむことができないという点と人間は快楽に慣れるという点の2つの欠点がある。
没頭する人生とはスポーツや仕事などに無心になって取り組むことで、無意識のうちに幸福感や充実感を得る人生である。
意味のある人生とはその名の通り、個人自らが自身の人生に意味付けをしそのミッションに向かって人生をささげていく生き方である。
単純に考えると、この人生で人間は本当に幸せになれるのか疑問を持つ方も少なくないだろう。
意味のある人生の一番の利点は幸福感が長続きするということである。
人間は慈善活動などを行うことで、短期的な快楽よりも持続的に幸福感を味わうことができると近年の心理学の研究により解明されている。
筆者自身も、快楽の幸福よりも意味のある人生の方がより豊かな人生を歩めると思う。
つまり私が何を言いたいかというと、社員の真のESを高めるためには社員に対して没頭する人生や意味のある人生を歩んでもらう必要があるということだ。
この考え方を単に押し付けるのではなく、会社の仕組みとして人事評価制度や会社の社風などを変えていくことで導いてあげることこそ会社の責任ではないだろうか?
この真のESを高めるために必要なことは社員の目標管理と人事評価制度をリンクさせることである。目標の管理の方法として単に結果だけで判断するのではなく、結果を出すためのコンピテンシー(結果までのプロセスや行動特性)を評価すべきである。
また、社員の立場で考えると、いかに社員の目標が会社で実現できるかという点もますます重要になってくるため目標の設定には多くの時間を使い、じっくりと考えるべきである。