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【書評】ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる

 

ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる

ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる

 

 ビジョナリーカンパニー、やっと4冊読み終えました。経営コンサルタントを目指す私にとって非常に有益な知識を与えてくれる本でした。

 

歴史の流れに伴い、我々企業も変化し続けています。今回のテーマは不確実性でした。

 

この本が出版されたのは2011年ですが、近年は仮想通過やAIなどの最新技術の台頭により、ますます不確実性は高まっているといえます。

 

従って、この本の必要性も共に認識されるべきでしょう。

 

内容として、近年の不確実性の高い年代にありえない成長を見せている企業をリストアップして、その共通点を探し出しています。

 

私が印象に残った点は20マイル行進、運の利益率についてです。

 

まず、20マイル行進。

目標の利益を毎年必ず達成する企業は永続的に成長する可能性を秘めています。

これは、毎期設定された目標を超えすぎることも好ましくないという考え方です。

 

それより企業にとって大切なことはどんなに困難な状況に陥ろうとも、設定された目標を達成することが求められるということを強調したいのだと私は考えました。

すなわち、会社が目標を達成できないときとは一体どんな状況でしょうか?それを想像することで著者が何を言いたいのか私なりに考えました。

企業が目標を達成できない原因の例を挙げますと、重要な従業員の急な退職、厳しい経済環境、自社商品が時代のニーズに合わなくなってしまうことです。このように様々な要因が考えられますが、これはどれも私たちの会社だけが経験することではないんです。他社の同じ状況に陥る可能性が確実になる。経済的状況においては必ず同じタイミングで直面する。

 

では、そのような状況に陥った場合、その苦境に関わらず、目標を達成できる企業はどれほどいるのだろうか?こういった場面に成果を残せる企業こそ真に強い偉大な企業だということです。しかし、そう簡単には毎年の目標を達成することは困難です。

 

この目標を達成するためには常に不確実性に対するアンテナを張り、どんな事が起ころうとも経営者はその対処策を考え続けることが必要であると考えます。

 

私は20マイル行進の概念は日々の勉強にもこの考え方は活かせると考えています。人間は誰しも何かしらの目標を持つと思います。中には大きな目標を持つ人もいるでしょう。しかし、一体どれだけの人間がその目標を達成できるのでしょうか?その数は一握りだと私は考えています。

しかし、このような状況を変えるために20マイル行進の概念は有効的だと私は考えています。つまり、どんなにその日がつらい一日でとても疲れていて、更に時間がない日でも設定されたノルマの時間分の勉強をするということが大切であるということです。

その日の勉強はいかに価値があり、毎日継続して勉強できる人間へ一歩近づくでしょう。

個人的にはそのつらい日の勉強は3倍の価値があると思って勉強することが必要なのかもしれません。この3倍は単なる根性論ではなく、そのつらい日に勉強する30分の積み重ねがやがて大きな目標を達成するという意味での3倍です。こう考えられることができれば、納得してくれるでしょうか?

 

次は運の利益率です。

 

成功した経営者が「あなたはなぜ成功できたのでしょうか?」という質問に対してよく「私はたまたま運が良かったから。」と答える方が多いようです。

ということは、運も必要なのかと考えてしまいます。

しかし、筆者は運イベントという概念を定義し、偉大な企業と比較企業の両者にほぼ同じ回数の運イベントが発生してきたという研究結果を出しています。すなわち、この運イベントをうまく活かせる企業とこのチャンス(運イベント)を上手く活かせない企業がいるということが分かります。

 

逆に、負の運イベントから立ち直った偉大な企業にも言及しています。

 

このことから、企業と運イベントの関係は4つに分かれることが分かります。

①幸運で高リターン

②幸運なのに低リターン

③不運なのに高リターン

④不運で低リターン

注目すべき点は③です。会社は何かしらの理由で業績が悪化するかもしれません。しかし、過去にはその業績悪化の原因を真摯に受け止め、謙虚に改善していくことで、業績悪化前よりも業績を良くし、成長する企業が存在します。この過程を歩むにはどうすればよいのでしょうか?

私は謙虚さと企業理念を実現するための強い意志力が必要であると考えます。どの会社にも絶対に苦境は訪れます。その時、どう行動するか?ピンチはチャンスととらえて、会社のビジネスモデルを見直す良い機会になるかもしれません。消費者や顧客の気持ちを考え直す良い機会になるかもしれません。

 

ビジョナリーカンパニーでは何度かチャーチルの逸話が出てきます。政治家の話は果たして経営の世界でも通用するのか?と初めは疑問でした。

しかし、どの世界でもどの時代でも共通する教訓というものはある事に気づいたのです。チャーチルは第2次世界大戦時、とてつもなく追い込まれていました。ドイツはフランスを打ち負かし、ロシアにも勝る勢いを保ち、とうとうイギリスにまで進撃してきました。そのような状況に陥ってもチャーチルは最後には絶対勝つという強い信念をもってヒトラー率いるドイツに立ち向かいます。最後は様々な要因をが重なり勝利を収めます。

この結果は最後には必ず勝つという強い信念と不運をという運イベントに対して低いリターンを得ない努力を行ったからです。

 

このように、どんな組織であれ共通の教訓はあり、それをビジネスに活かすことはできます。