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ビジョナリーカンパニー③衰退の五段階~書評~

 

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

 

 ビジョナリーカンパニー①、②と読んできたが、ブログにはこの③から書くという変な流れですが、始めます。

 

まず、このビジョナリーカンパニーという本は何百という会社を研究対象にし、今回の場合では成長した企業がどのような条件で衰退するのかを莫大な研究対象の中から共通点を見つけ出しまとめられた本です。

私の着目した点は、サム・ウォルトンの学習意欲と衰退から立ち直る企業についての論点である。

 

まず、サム・ウォルトンについてだが、彼は米国一位の小売業者ウォルマートの創業者で有名であるが、彼のすごさはその謙虚すぎるともいえる学習意欲である。彼は何歳になってもその学び続ける意欲を失わなかったということがこの本を読んでわかった。

これほどまで謙虚で、しかし、貪欲ともいえる学習欲を持っているということはまさに第五水準のリーダシップであると私は感じた。自らは謙虚に。しかし、会社の繁栄のためには貪欲に努力する姿には私は感動した。この姿勢があれば、どんなに成功しようとも傲慢さは生まれないということは明白である。

 

次に衰退から立ち直る企業についてである。会社というものは金融危機や政治的要素などの外的要因によって危機を迎えることが将来的に必然的に直面する。そのような場面に見舞われたとき、どうするか?それが大きな違いを生むということである。この時、企業の経営者が思い出さなければいけないことがストックデールの逆説である。端的に言うと、自分がどんなに困難で絶望的な状況にいようと、最後には自分が絶対に勝利するという確信を持ち続けることが大事であるという説です。これはベトナム戦争でのアメリカ兵の捕虜の実話から著者が引用したものなのですが、戦争の話が会社経営に繋がるのかと非常に疑問でした。しかし、この考え方が非常に大切で組織としてどう動くかは何かの考え方に基づいて判断が下されます。その考え方にこの考え方を当てはめることは何ら問題のないことで、実際にIBMなど他にも様々なアメリカ企業の復活劇を挙げています。

さらに外的要因によって、困難に直面していることは逆に考えれば、他の会社も同じ条件であるということです。そこで、自分たちの会社が最後には勝利するという確信をもって、動いていけばそこには意外と大きなチャンスがあるということを述べています。これはピンチはチャンスといってしまえばその程度かと思いますが、この話の具体的に述べることによって説得力が高まります。私はこのような考え方を持てる企業が今も生き残っているのだと思いました。

しかし、最後の方はやや根性論に感じてしまう部分もあり、私なりにはやや物足りない部分もありました。